新築の家で暮らした思い出

新築の家で暮らした思い出

● 男性 52歳
新築の家で暮らした思い出は、確かに私にもある。それは既に二十年も前の事だった。それまで私の自宅は古くおんぼろであり、友人も呼べぬ有様だったのである。それは家を新築してから一変した。私の部屋は二階の一番奥であった。自由が満喫出来、煙草を覚えたての私は、僅かにビールなどを飲み、煙草を燻らせてこの出来事に満足していた。実はこの新築住宅は、今は亡き父が拵えた物で、私も及ばずながら手伝った記憶がある。言うなれば家族総出で拵え作り上げた我が家は、普通の人が味わうよりも多くの感慨に浸れた訳である。実際に新築の家の匂いとは良い物で、幾らかいでも飽きる事は無い。そして、自分の部屋が出来れば必然的に家具や装飾品も欲しくなるのが人情であり、その為に家具の購買雑誌などから家具を自分の稼ぎで買った経験もあった。そんな感じで数年が経ち、気付いて見れば今の我家が完成して行き、今の私の冴えない部屋が存在していたのである。
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